16 7月 2016 - 06:32
トルコ  クーデターは失敗か 大統領「政府が国を掌握」 

【エルサレム大治朋子】トルコで15日午後10時半(日本時間16日午前4時半)ごろ、国軍の一部が首都アンカラや最大都市イスタンブールの一部を占拠し、国営テレビを通じて全権掌握と戒厳令、夜間外出禁止令の公布を宣言した。

エルドアン大統領は16日朝、イスタンブールに姿を見せ「反逆行為で重い代償を支払うことになる。軍を浄化する」と反乱勢力を批判。「政府が国を掌握している」と述べクーデターの試みを抑え込んだと強調した。半国営アナトリア通信などによるとユルドゥルム首相も約130人の反乱勢力を逮捕しており事態を収拾しつつあると述べた。

ただ、首都の大統領官邸近くで戦闘機が爆弾を投下し、イスタンブールでは戦車が出動し発砲音や爆発音が続くなど、一部で抵抗が続いている模様だ。地元メディアによると、アンカラでの衝突で少なくとも42人が死亡したと検察当局が発表した。

 一方、エルドアン大統領の呼びかけに応じた市民が反クーデターの大規模デモを展開し一部で反乱勢力を取り囲んだ。ロイター通信によると反乱勢力が一時占拠したイスタンブールのアタチュルク国際空港は、正規軍が支配下に置いた。

 クーデターが鎮圧されても、テロが頻発するトルコで強権批判を受けるエルドアン政権の治安維持能力に、大きな疑問が投げかけられるのは必至だ。

 反乱勢力は「平和評議会」を名乗り、声明でクーデターの理由を「憲法秩序、民主主義、人権と自由の再確立、法の支配を再び確保するため」と説明した。

 アナトリア通信などによると、反乱勢力はまずアンカラの軍司令部を占拠し、参謀総長ら幹部を拘束。国営テレビも制圧し た。首都では国会議事堂付近に戦車 が展開、大きな爆発音が聞こえたという。郊外の警察特殊部隊本部ではヘリコプターに攻撃され警察官17人が死亡。空軍のF16戦闘機が反乱勢力側の軍用ヘ リコプター1機を撃墜したとの情報もある。

 イスタンブールでは、反乱軍側が与党「公正発展党」の支部を制圧した。中東・欧州のハブ空港の一つアタチュルク国際空港 にも戦車が進入、閉鎖され、爆発 が何度か発生した。アジア側と欧州側を結ぶボスポラス海峡の二つの橋も封鎖。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も一時不通となった。

 クーデター発生後、エルドアン大統領は民間放送に動画通信で姿を見せ国民に抗議活動を呼びかけた。イスタンブールでは、市民らが中心部のタクシム広場で国旗を振り政府支持の意思を表した。

 一方、米ホワイトハウスによると、オバマ米大統領とケリー国務長官はエルドアン政権は民主的選挙で選ばれているとして支持を確認した。